パソコンやタブレットなど液晶ディスプレイを眺めることが当たり前になった現代では、VDT症候群という新たな問題が生まれています。
VDTとは液晶ディスプレイなどの表示機器のことです。VDTを使用した作業を長時間続けることにより、目や身体、心に支障をきたす病気のことをVDT症候群と言います。別名テクノストレス眼症、IT眼症とも呼ばれます。
主な症状としては、目の疲労が挙げられます。長時間の眼球運動・ピント調節によって目には大きな負担がかかります。症状が酷くなると、病的な目の疲労(眼精疲労)になり、休憩してもなかなか回復しなくなります。また、ドライアイにより結膜が充血することもあります。
エルゴノミクス(人間工学)特集:「VDT症候群」とは?
「VDT症候群」とは?
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VDT症候群の主な症状
- ■目の症状:眼精疲労、ドライアイ、充血、かすみ目、視力低下、角膜 障害、白内障など。
- ■体の症状:肩こり、首・肩・腕の痛みとだるさ、背中の痛み、手指のしびれなど。
- ■心の症状:食欲減退、イライラ、不安感、抑うつ症状など。
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VDT症候群の原因は?
ディスプレイからは強い可視光線に加え紫外線・静電気・電磁波なども発生しており、VDT症候群はそれらの要因が重なり合うことで発症すると考えられています。近年ではパソコンの作業時間が増えていることに加え、液晶ディスプレイの高輝度化も合わせて、VDT症候群発症のリスクが高まっています。
予防法は?
目の乾きを防ぐための点眼や加湿、遠方凝視、適度な運動で身体をリラックスさせるなどの方法があります。
液晶フィルムなどを使用して、ディスプレイの強い可視光線や紫外線・静電気などを抑え、目の疲れや視力の低下を防ぐことも重要です。また、足の裏全体が床に接するようにして、つかない場合はフットレストを使用しましょう。