CAT5eケーブルの自作方法(アルタネート方式)
アルタネート方式RJ-45の加工手順を説明します。
ケーブル加工手順
今回は568A配線の加工方法を説明します。(568Bの場合は、緑のペアと橙のペアを読み替えてください)
1) まず、ケーブルの先端から6cm程までをかるくもむようにほぐします。
次に外皮むき工具を用いて外皮を切除します。親指の長さを目安にして、親指+1cmほどの部分を切除します。
2) 外皮むき工具をケーブルに挟みます。外皮むき工具の刃を無理に押し付ける必要はありません。
そのまま外皮むき工具を1回転させます。
この時、外皮が完全に切断されていなくても、引っ張れば取り除けます。外皮が完全に切断されていたら、中の線(芯線)が切れている可能性がありますので芯線に傷が無いかを確認してください
外皮を取り除くと、芯線が出てきます。
3) 芯線は
白緑/緑
白橙/橙(オレンジ)
白青/青
白茶/茶
の4対(4ペア)8本で構成されています。
まず、左手で緑のペアを、右手で茶のペアを持ち、軽く左右に引っ張ります。
左から緑ペア・橙ペア・青ペア・茶ペアに並べます。
4) それぞれの対(ペア)のよりを戻していきます
緑ペアから作業をしてください。
よりを戻しきったときに、左から白緑・緑の順になるように配置します。通常のRJ-45と違い、外皮のギリギリの辺りまでよりを戻しましょう。
残りのペアも同じようによりを戻します。
それぞれのペアで左側に白が来るようにし、8本の芯線が扇状になるように配置します。
5) よりを戻して一本になった芯線にはよってあったときのねじれが残っています。
片方の指で扇状の根元部分をしっかりと押さえ込んで固定し、もう片方の指で芯線を強く挟み、まっすぐに伸ばしていきます。
6) 画像のように、まっすぐに伸ばします。
先端は切り落とすので多少曲がっていてもかまいません。
7,8) 全てまっすぐに伸ばしたら、橙と青の芯線の位置を入れ替えます。
9) 扇状に広がっていた芯線をそろえていきます。
先ほどと同じように、片方の指で扇状の根元を押さえ、扇をたたむように端へそろえていきます。
各芯線の配置(並び順)が入れ替わってしまわないように注意してください。
10) そろえることができたら、先端部分を斜めに切断します。
茶色側が長く、白緑側が短くなるようにしてください。
11) なるべく茶色と白緑の長さに差が出るように切断してください。
●各プラグパーツの向きを確認してください。
上図のように、プラグは金属端子が出ている面を上に、ロードバーは切り欠きがある部分を上側手前とします。
アルタネート方式のロードバーのケーブル差込穴は上下2段になっています。
●ロードバーの差込穴とケーブルの対応表です。
8番茶色の一番長いケーブルからロードバーに差し込んでいきます。
12) そろえたケーブルとロードバーの7,8番の穴が水平になるようにロードバーを傾けて、茶を上段、白茶を下段に差し込みます。
13) 同じように5,6番が水平になるようにして、橙を上段、白青を下段に差し込みます。
14) 3,4番が水平になるようにして、青を上段、白橙を下段に差し込みます。
15) 最後に1,2番が水平になるようにして、緑を上段、白緑を下段に差し込みます。
16) ロードバーを奥まで差し込みます。
外皮のギリギリまで差し込みます。
差し込み終わったら、ケーブルの外皮とロードバーを上下から指で挟みこむように持ち、ケーブルをねじるように左右に回転させてください。
ケーブルの中の芯線のたるみが取れます。
17) 可能な限り、ロードバーから出ている芯線をギリギリの位置で切断します。
18) プラグの金属端子が上に来るように持ち、ロードバー、ケーブルを挿入します。
外皮がプラグに引っかかることがありますので、慎重に挿入してください。
19) この時に、5mm程の長さの外皮がプラグ内に入っていないといけません。外皮がまったくプラグ内に入っていなかったり、5mmより短かった場合は、かしめた後にケーブルの押さえ(固定)が完全にされず、抜けてしまう危険性がでてきます。
20) かしめ工具にプラグを挿し込むときに、挿しづらい事があります。
かしめ工具に対して垂直にプラグを挿し込むようにしてください。
プラグがまがっていると、斜めに入ってしまうことがありますので、注意してください。
21) かしめ工具を握って、かしめます。
アルタネート方式ショートタイプRJ-45用のかしめ工具はラチェットがないタイプです。
一般のRJ-45用のかしめ工具を使用するときと比べて、力が必要なうえに、かしめ終わりが分かりづらいです。
左の画像ぐらいまで握って、かしめるようにしてください。
22) かしめ工具からプラグを抜いて、完了です。
加工の際の注意
1.よりはできるだけ戻さない。
加工の際は、できるだけよりを戻さないようにしてください。戻してしまった分、ノイズに弱くなります。
2.工具はできるだけ良いものを。
安価な工具は、精度が悪く、完全にかしめられなくなったりする場合があります。かしめ工具には、単線用とより線用があり、ラチェット付きのものが確実です。
3.簡易テスターは、あくまで確認用。
1万円前後で市販されているテスターは、単に結線を調べているだけです。ペアの取り方が正しいかなど、品質的な部分まではわかりません。プロは、100万円以上もするテスターで検査をしながら工事を行っています。